最高裁判所第二小法廷 昭和26年(れ)2005号 決定 1952年12月26日
主文
本件上告を棄却する。
理由
裁判官藤田八郎、同谷村唯一郎の少数意見は次のとおりである。
被告人得平勇に対する本件については、当審において、米田義明に対する昭和二二年政令第一六五号違反、窃盗被告事件と併合して弁論が開かれ、両名は共同被告人として審理を受けたのであるが、右米田に対する公訴事実中昭和二二年政令第一六五号違反の事実については、昭和二七年政令第一一七号大赦令により大赦があったので、同人については、当審において原判決を破棄し、右事実につき免訴の言渡、その他の事実につき刑の言渡をしたのである。しかるに、被告人得平勇の本件昭和二二年政令第一六五号違反の事実が、前記大赦令による大赦にあたることは、全く右と同様であるから、米田義明に対する原判決破棄の理由は、その共同被告人である被告人得平勇に共通であり、従って旧刑訴四五一条により、同被告人についても原判決を破棄し、免訴の言渡をなすべきである(昭和二三年(れ)一五四一号同二七年一一月五日当裁判所大法廷決定中の藤田裁判官の少数意見参照)。
(裁判長裁判官 霜山精一 裁判官 栗山 茂 裁判官 小谷勝重 裁判官 藤田八郎 裁判官 谷村唯一郎)